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2024.04.09
相談員ブログ

後縦靭帯骨化症について

【後縦靭帯骨化症とは】
後縦靭帯骨化症は、脊椎(背骨)などに囲まれた脊柱管(神経が通る管)の前方部分の靭帯である後縦靭帯が骨化して、脊髄や神経根(脊髄から分かれて手足へ向かう神経の根元)を圧迫して、様々な神経の症状が出る病気です。
レントゲン写真などで後縦靭帯の骨化が見つかることはよくありますが、脊髄及び神経根への圧迫が軽度であれば自覚症状はありません。
自覚症状が出てからの進行度合いは人によって異なりますが、一度発症すると良くなることはほぼありません。
患者のなかには麻痺が進んで寝たきりになる人もいます。
令和2年度における特定疾患医療受給者証の交付件数では、患者数が36,000人となっています。
病気が発症するのは中年以降、特に50歳前後で発症することが多く、男女比では男性が女性の2倍となっています。
この病気は黄色人種以外ではあまりなく、東アジアの日本、韓国、中国で多く発症していて、遺伝子が何らかの関与をしていることは判明しています。

【後縦靭帯骨化症の症状】
多くの場合、初期段階では、首や肩甲骨周辺、手や指のしびれが現れます。
そして、手や腕の感覚が無くなったり、握力など筋力の低下が見られます。
進行していくと、ボタンがはめられなくなったり、箸で物をつまむことができなくなったり、手先を使う作業が次第にできなくなり、躓くなどの歩行障害も出てきます。
また、尿の回数が増えたり残尿感があるなどの、排尿や排便に関する障害をきたします。
後縦靭帯骨化症の20%前後の患者は転倒などの事故をきっかけとして、症状が急激に悪化しています。

【後縦靭帯骨化症の原因】
老化現象や、頚椎への負担、肥満、代謝異常、遺伝的な要因などが考えられていますが、後縦靭帯骨化症の直接的な原因は判明されていません。

【後縦靭帯骨化症の治療】
基本的には保存治療と手術治療の2種類があります。
保存治療には、内服治療、温熱療法、牽引療法があります。
保存治療で改善が見られなかったり、進行する場合は、手術を検討することになります。
軽いしびれなどの軽傷では手術する必要はありませんが、それ以上の症状が出てきた場合は手術を検討します。

【難病指定による公的補助】
後縦靭帯骨化症は「難病患者に対する医療等に関する法律」(通称:難病法)における医療費助成対象疾患(指定難病)です。
介護保険では40歳から64歳の人が16の特定疾病になっている場合に、第2被保険者として認定されますが、後縦靭帯骨化症はその特定疾病に該当しています。
難病法では、「発症のメカニズムが明らかでなく、治療法が確立しておらず、希少な疾病であって、長期の療養を必要とするもの」と難病を定義付けしています。
そして、「患者数が日本国内で一定の人数(人口の0.1%程度)に達しないこと、客観的な診断基準が確立していること」が指定難病とされています。
指定難病は病気の重症度や指定医療機関受診などの条件を満たす場合、医療費助成の対象となります。

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