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2024.04.22
相談員ブログ

似て非なる言葉たち

【似たような言葉なのに違う意味が多い医療用語】
医療関係の言葉はただでさえ頭に??のマークが浮かぶくらい、聞きなれない単語が多いですし、「こういう意味なのかな?」と憶測しても全然違うということがあります。
また、似たような響きでも意味が全然異なるものも散見されます。
今回はそんな言葉たちにフォーカスしてみました。

【「予後」と「余命」】
・「予後」
今後の病状についての「医学的な見通し」のことです。
病気の進行具合、治療の効果、生存できる確率など、全てを含めた見通しです。
これから病気が良くなる可能性が高いのか、悪くなる可能性が高いかの見通しを指す場合もあります。
・「余命」
余命とは、その人が「あとどのくらい生きられるかの予測値」のことを言います。
がんなどにかかった場合には医師から余命を宣告され、患者が精神的にショックを受けることもあります。
しかし、余命は予測にすぎず、実際には余命より前に亡くなる方もおられますし、余命よりも長く生きる方もおられます。
それゆえに、余命宣告を受けた場合でも、気持ちを左右されずに、あくまで「可能性だ」と捉えて、余命をどう生きていくかを考える必要があります。

【「完治」と「治癒」と「根治」、「寛解」】
・「完治」「治癒」「根治」
がん手術が完全に成功した場合など、体内からがんを除去した状態を「完治」「治癒」と表現します。つまり「完治」と「治癒」は同義語で使われています。
しかし、がんが再発や転移をする可能性は完璧に無いと言い切れないので、一定期間は観察することが必要になってきます。
がんが術後5年間再発しなければ、「完治」「治癒」したと見なされます。
加えてですが、完治に向けて根本的な治療を行うことを「根治」治療と呼びます。
・「寛解」
がんが一時的に無くなっている、あるいは縮小していて、発症していない状態であることを「寛解」と言います。
「完治」はしていないものの症状が抑えられている状況であります。
「寛解」は未だ、がん細胞が増加したり移転する可能性を含んでいるので、「寛解」の状態を保つために、治療や診察を継続する場合があります。

【「臨床研究」と「臨床試験」と「治験」】
「臨床研究」は病気の解明や予防、診断・治療の改善、患者の生活の質の向上などを目的として行われます。
人を対象とする医学研究の全てを意味します。
臨床研究には「臨床試験」と「治験」が含まれます。
「臨床試験」とは新しい薬の候補や治療法の効果や安全性を調べるために、健康な人あるいは患者に協力を得て、それが治療法として適しているか確かめる試験のことを言います。
「治験」とは、臨床試験のなかで製造販売の承認が得られるまでの試験のことを言います。
つまり、臨床研究が臨床試験を内包し、臨床試験が治験を内包している、マトリョーシカのようなイメージです。

【「病気」と「疾病」と「疾患」】
「疾病」と「病気」の意味はほとんど同じ意味ですが、少しニュアンスが違う点があります。
「疾病」が客観的に症状や原因が診断されたものを指すことが多いのに対して、「病気」は健康とは言えない状態全般を意味していて、不調な状態なども含んでいます。
「疾病」と「疾患」にも使い方に少し違いがあります。
「疾病」は「16の特定疾病」とか「疾病管理センター」など、複数の病気を集合的に示す場合に使われることが多いのです。
その一方、「疾患」は「脳疾患」や「呼吸器疾患」などの、具体的に症状が出ている場所やその特徴的な症状を特定できる病的状態であることを意味する言葉です。
「疾患」も「疾病」も健康ではない病的状態を意味していますが、「疾患」の方が「疾病」よりも具体的な症状や治療法が明確になっているという違いがあります。
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