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2024.03.28
相談員ブログ

長谷川式認知症簡易評価スケールと認知症検査について

【長谷川式認知症簡易評価スケールとは】
認知症の検査には大きく分けて2つの方法があります。「神経心理学検査」と「脳の画像検査」です。
その中でも、国内で最も頻繁に使用されるのが「長谷川式認知症簡易評価スケール」で、これは神経心理学検査の一つです。
この検査は、認知症の第一人者である長谷川和夫医師によって開発されました。
正式名称は「改訂長谷川式認知症簡易評価スケール」で、「長谷川式」「長谷川式スケール」「HDS-R」とも呼ばれます。
このスケールは、記憶機能を中心に据えた検査で、9つの質問から成り立っています。
各質問に1~6点が与えられ、合計で30点満点です。
スコアが20点以下の場合は、認知症の疑いがあると見なされます。
この検査は通常5~10分程度で行われます。
ただし長谷川式認知症簡易評価スケールはあくまでも認知症の有無を判断する目安であり、医師による問診、診察、脳の画像検査などと組み合わせて総合的な診断が行われます。

【長谷川式認知症簡易評価スケールの内容】
・年齢(1点):自分の年齢を正しく把握できるかを検査します。
・日付(4点):日時(年月日と曜日)を正確に把握できるかを検査します。
・場所(2点):自分が現在どこにいるのかを正確に把握できるかを検査します。
・言葉の記憶(3点):3つの単語を覚え、その後に新しい言葉を覚えられるかを検査します。
・計算(2点):簡単な計算能力を検査します。
・数字の逆唱(2点):質問者が言った数字を逆から言えるかを検査します。
・言葉の遅延再生(6点):前の設問で覚えた単語を再び聞いて、それを思い出せるかを検査します。
・物品再生課題(5点):提示された5つの品目を見た後、それらを思い出せるかを検査します。
・言葉の流暢性(5点):できるだけ多くの野菜の名前を言えるかを検査します。

【神経心理学検査】
・ミニメンタルステート検査(MMSE)
アメリカで考案され、世界でもよく使われている検査です。
検査時間は10~15分ほどで、11項の質問があり、「精神状態短時間検査」と呼ばれます。
口頭での回答以外にも、絵を描いたり、文章を書くこともあります。
30点満点中22~26点で軽度の認知症の可能性があり、21点未満で認知症の可能性が高いと判断されます。
・MoCA
10分程度の個別面接検査です。
視空間・遂行機能・記憶・注意力・抽象概念・見当識等の多領域の認知機能を評価します。
軽度認知障害(MCI)に適した検査です。
30点満点中、25点以下で軽度認知障害の疑いがあると判断されます。
・時計描写テスト(CDT)
丸時計の数字や針、中心点を描く検査で、描いた内容から前頭葉・側頭葉・頭頂葉の状態を確認することができます。
高齢者の自動車運転免許更新時にも利用されています。

【脳の画像検査】
・CT
X線を使用するコンピューター検査です。
脳の状態を断層的に確認できます。
・MRI
磁気を使用して脳を撮影する検査です。
脳腫瘍・脳梗塞・脳出血などの有無を調べ、発症時期を推測することもできます。
・SPECT
脳内の血液を測定する検査です。
微量の放射線検査液を投与して、脳血流が低下している箇所や低下度合いを統計解析します。
アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症の診断ができます。

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