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パーソナルモビリティ「WHILL」、2020年にも公道での実用化へ

 パーソナルモビリティ「WHILL」。といっても知らない人のほうが多いでしょうが、もしかしたら、この記事をご覧下さっている、介護に関心のある皆さんならご存知かもしれません。

「WHILL」は、簡単にいえば“次世代型電動車椅子”のこと。2012年創業の「WHILL」(社名も商品名と同じなんですね)が2014年に売り出した「WHILL Model A」は、その高機能で洗練されたデザインが大きな注目を集めました。2017年にはよりコンパクトで低価格の「WHILL Model C」を発売。昨秋からはMaaS事業に本格参入しています。

MaaSとは、「Mobility as a Service」の略。移動手段である乗り物を買って所有するのではなく、サービスとして利用する形を指す言葉で、最近増えているカーシェアやライドシェアもこれに含まれます。さらに、自動運転やAI(人工知能)、オープンデータなどをかけ合わせ、従来型の交通・移動手段にシェアリングサービスも統合し、次世代のよりスマートな交通システムを生み出そう、という動きを指すこともあります。

 そして「WHILL」では今年7日、これまで開発を進めてきた自動運転システムを正式に発表。周囲を見渡すステレオカメラやセンサなどを搭載し、車体の運搬・回収・整列もオートで行えるよう設計された「WHILL」を8日からラスベガスで開催される世界最大級の家電見本市「CES2019」に出展するなど、昨年から注力しているMssS事業を国際的な展開につなげる計画を明らかにしました。当面は空港やショッピングモール、スタジアム、テーマパーク、観光地、病院・施設などでの普及を図りつつ、高齢化や人手不足に伴うニーズの拡大も見据え、2020年を目途に公道での実用化も目指す、とのことです。

 すでにスキポール空港(オランダ)やヒースロー空港(イギリス)、ラガーディア空港(アメリカ)などで導入に向けての協議を進めており、国内でのシェアリング事業などの展開についても、昨年12月、小田急電鉄やタイムズ24、ドコモ・バイクシェアなどと連携していくことで合意しているそうです。

 「私たちは、『WHILL』を誰もがインフラのように当たり前に使えるサービスとして構築したい」。代表取締役兼CEOの杉江理氏は公式サイトでこう説明したうえで、「MaaS事業において、目的地までの数キロメートル、ラストワンマイルをつなぐ、誰もが安全に乗れるインフラは、まだ存在していません。WHILLはそこで『最後の1ピース』としての役割を果たし、すべての人の移動をシームレスに繋ぎ、歩道領域の移動にイノベーションを起こします」と語っています。

 こうしてみると、「WHILL」はもはや「歩行が困難な人のための車椅子」といった範疇は超え、誰もが利用する公共の交通手段、つまり社会インフラにまでなり得るかもしれません。「年齢や障害の有無に関わらず、誰もが乗れて、誰もが乗りたくなる、ラストワンマイルのための新しい移動手段」。それが「WHILL」、というわけですが、果たして、計画通りに進むのかどうか、期待も込めて注目していきましょう。
 
  

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