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有料老人ホームの見学のポイント
良い有料老人ホームを探すには、たくさんの有料老人ホームを見学することが必要です。前項で有料老人ホームを比較・検討するためのチェックを行いましたが、資料の比較でわかることは全体の3割程度で、この検討をもとに、実際にいくつかのの有料老人ホームに実際に出向き、しっかり話を聞かなければなりません。
有料老人ホームを実際に見学する目的は、大きくは2つあります。一つは、事前チェックもとにサービス内容や価格など商品の内容について詳細に確認すること、もう一つは、その老人ホームの雰囲気やスタッフ教育のレベル等サービスの質を感じることです。
入居される方がこれからの豊かな生活を送ることができるかどうか、また、ご家族にとっても安心して任せることができるのか、しっかり準備して見学に望むことが重要です。ここでは、見学の心得、見学のポイント、また見学にもらっておくべきもの等について解説します。
※付録
有料老人ホーム見学の心得
有料老人ホームをこれまでに見学したことがあると言う方は少なく、初めて訪れる方がほとんどではないかと思います。そして、多くの方が『こんなに立派だとは思わなかった』と有料老人ホームの生活環境の良さに驚かれます。確かに、有料老人ホームの設備や生活環境は高齢者が快適に暮らすことができるよう良く整備されています。しかし、見た目の美しさや豪華さだけに目を奪われてしまうと、確認しなければならないことが、見えなくなってしまいます。
ここでは、有意義な見学を行うための心得を解説します。

心得 1 しっかり事前に準備する
有料老人ホームは、サービス内容も多岐にわたりますし、そのホームによってサービス内容や価格は大きく違います。『百聞は一見にしかず』と言いますが、基礎知識もなく、事前準備をしていないと、建物を見てパンフレットに書かれた老人ホーム側の説明を一方的に聞くだけとなり、見学をした意味は小さくなります。有意義な見学をするためには、何を聞かなければならないのか、何を見なければならないのか、確認事項・聞きたいポイントを事前に準備して望む必要があります。

心得 2 複数の有料老人ホームを見学する
有料老人ホームは、大都市周辺部を中心に急速に増加しています。入居される方に合った有料老人ホームを選ぶためには、できるだけたくさんのホームを見学し比較検討を重ねることが大切です。価格・サービス内容だけではなく、それぞれにセールスポイントは違いますし、雰囲気やスタッフの教育レベル、緊急時の対応力も違います。最初に見た有料老人ホームがどんなに気に入ったとしても、一つしか見学せずに、それだけですぐに決めてしまうことは危険です。多くの有料老人ホームを見学し、話を聞けば聞くほど有料老人ホームという商品が理解できますし、入居される方に合った有料老人ホームを探すことができるようになります。

心得 3 気に入った有料老人ホームは2度見学する
契約までに、少なくとも2度見学することが必要です。要介護などご本人の身体レベルが低下している場合は、一緒に多くの有料老人ホームを回ることは、精神的にも身体的にも大変ですし、また、ご本人と一緒では、聞きにくいような質問や相談もあります。かといって、生活されるご本人が見ていないということでは、入居の不安を大きくさせることになります。ですから、一度目はご家族だけで、いくつかの条件に合った有料老人ホームを見学し、その中で気に入った有料老人ホームが見つかれば、少なくとも2回以上ご本人と一緒に、もう一度見学されることをお薦めします。

心得 4 聞きにくいことも全て確認する
せっかく事前に準備していても、『個人的なことは恥ずかしくて聞けない』『経営のことやトラブルについては質問しにくい』と言う話をよく聞きます。実際に、経営やトラブルなどの問題については、触れられたくないという有料老人ホームも多いようです。しかし、答えにくい質問は重要なポイントであることが多く、対応できないニーズについても、どのように答えるかで、その有料老人ホームの誠意を読み取ることができます。大切なご家族の生活を預けるのですから、どのような問題でも気になることは、全て確認しなければなりません。特に経営状態は重要ですから、経営資料については必ず質問し、財務書評が理解できる方と一緒に確認されると良いでしょう。
また、有料老人ホームは集団生活だと思われる方が多いのですが、基本的には個人の生活に合わせてサポートしてもらうと言うサービスです。『生活にとけこめるか』『他の入居者とのトラブルが心配』など、個人的なことを相談するために、見学をすると言っても過言ではありません。逆に個別の相談ができないような雰囲気なのであれば、その説明者は優秀な有料老人ホームの相談員だとは言えないでしょう。

心得 5 実際の入居をイメージして見学する
 見学をより有意義なものとするためには、入居されるご家族の実際の入居をイメージして見学することです。運営が始まっている有料老人ホームであれば、どの部屋に入居することになるのかわかりますから、リビングへの距離やプライバシーなどの住居環境や、現在入居されている方の生活も見ることができます。また、部屋の広さや、車椅子生活での居室環境、部屋の向き、本人が持っていきたい家具は入るかなど、実際の入居時の生活に合わせた質問をすることも可能です。より具体性をもって見学すると、その質問の幅も大きく広がります。


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有料老人ホーム見学の流れ
実際にどのような見学の方法を行っているのかは、有料老人ホームによって違いますし、順序は多少前後すると思いますが、ここでは、見学においての全体的な流れと、そのポイントを解説します。

見学の流れ

1.事前チェック
事前チェックは有意義な見学のためには不可欠です。パンフレット等の資料を事前に目を通し、確認するポイント・質問事項を整理し、チェックリストは必ず持っていきましょう。

2.見学の予約
 有料老人ホームで、入居者が生活されている場合には、食事・入浴などの入居者の生活リズムにも配慮する必要がありますから、見学に適さない時間があります。また、見学は5分や10分で終わるものではありせんから、飛び込みでの見学希望は、ホーム側にとっても非常に迷惑です。新設でも運営が始まっている老人ホームでも、見学を行う際には必ず事前に連絡して見学予約をすることが必要です。
 また、見学時に欲しい書類(契約書・重要事項説明書等)を伝えることや、ご本人が一緒に行かれる場合、見学に車椅子等が必要になることがありますので、事前にその準備も依頼しましょう。

3.事前の電話確認
 実際に見学する日の前日に、ご家族から電話確認をされることをお奨めします。それは予約の確認という意味だけではなく、有料老人ホームスタッフの教育レベルを計る上でも良いチャンスです。経営者の理念が立派で、担当者の説明がしっかりしていても、電話対応がお粗末なものであれば、その理念がしっかり行き届いているとは言えません。ここからチェックは始まっているのです。

4.立地環境の確認
 時間通りではなく、少し早めに到着し、有料老人ホームの周囲の環境を確認しましょう。見学者に対して近くの駅から送迎してくれるホームもありますので利用されるのも良いですが、見学者専用であれば実際の入居後はあまり関係ありませんから、電車や自家用車でくる場合の交通の利便性をしっかり確認する必要があります。高齢者が生活するに相応しい立地環境か、チェックしながら少し歩いて見られるのも良いでしょう。

5.老人ホーム内見学
有料老人ホームの見学は、有料老人ホームの担当者の説明に沿って行われます。ここでは特に建物やハードの説明が中心に行われます。許可を受けて建物の写真をとったり、建物や設備、居室の広さについて、疑問に思うことは質問されると良いでしょう。その他、説明内容以外に、介護スタッフの態度や身だしなみ、掃除は行き届いているか等、チェックすることはたくさんありますので、目的意識をもって見学することが必要です。

6.老人ホームからの説明
 次に有料老人ホームのサービスについて、パンフレットや契約書等の資料にもとづいて説明が行われます。セールスポイントや介護サービス体制、価格など基本的なことが説明されますので、理解できないことや、疑問に思うことは、その場でしっかり確認しましょう。

7.ご家族からの質問
 最後に事前にチェックしておいた事項の質問です。Eの老人ホームからの説明の中で付随して聞かれたこともあると思いますが、聞きもれがないように、チェックリストを活用し、質問することが必要です。これは質問だけではなく、個々の入居者の状況を説明したり、老人ホームでどの程度まで対応してもらえるかという相談でもありますから、気になることや、心配事については、何でも聞くようにしましょう。

8.事後チェック
 最後は、見学後のチェック内容確認です。どのポイントが良かったか、聞きもれはないか等をチェックしましょう。見学は一人ではなく、それぞれの印象や気が付いたポイントが確認できますので、2〜3名でされるのが理想です。また、事後のチェックをしないと、どのホームが良かったのかわからなくなりますので、情報を共有するためにも事後のチェックは不可欠です。


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見学でチェックすること
見学の目的の一つとして、有料老人ホームの雰囲気やスタッフの教育レベル、サービスのレベルを肌で感じることがあります。有料老人ホームや介護サービス事業は、人が人にケアを行うという、純粋な対人サービス事業ですから、スタッフ数が多く介護サービスの量が充実していても、そのスタッフ質が伴っていなければ、優良なサービスは提供されません。事前のチェックポイント以外に、見学での確認するポイントは、大きく5つに分けられます。

ポイント1 説明担当者の説明内容・態度
 有料老人ホームのパンフレットには、どこでも同じように『安心・快適』などの美辞麗句が踊っています。しかし、有料老人ホームでの曖昧な表示や説明が、後日、トラブルを発生させる大きな原因となっています、イメージではなく、どこまで安心なのか、どのように安心を提供するかというその中身が重要なのです。

例えば『24時間365日、安心の介護です』と言うのではなく、『入居者2名に対して1名の介護スタッフが介護にあたります。介護スタッフの内8割がホームヘルパー等の介護資格を持っており、その半数は介護福祉士です。夜間の配置は・・・』等と、実際の説明は、美辞麗句ではなく、実際の数字や実例を挙げて説明されなければいけません。また、答えたくない質問やトラブルに対して、曖昧な返答をしたり誤魔化したりするようでは、サービス内容が理解できていないか、サービス内容に自信がないか、どちらかだと言えます。説明内容を聞くだけでなくと説明の方法、説明態度をチェックすることが重要です。

ポイント2 説明担当者以外の態度・身だしなみ
 説明担当者以外のスタッフの態度や言葉づかいが乱れていないか、チェックすることも重要です。見学者に対して、全ての介護スタッフが『こんにちは』としっかり挨拶されるところもあれば(介護中を除く)、すれ違っても知らん顔しているようなホームもあります。その他、スタッフの服装が汚れていたり、スタッフ同士の会話が乱れていたり、入居者への態度が馴れ馴れしいというホームもあります。これは、スタッフ個人の資質ではなく、有料老人ホームのスタッフ教育が不十分で、経営者の理念が行き渡っていないということです。

 

ポイント3 入居者の服装・清潔度
 スタッフと同様に、すでに入居者が生活されているのであれば、生活されている入居者の身だしなみや服装等もチェック項目の一つです。例えば、日常の生活に介護が必要な高齢者の服装を見れば、着替えの介助等のサービスが行き届いているかをチェックする一つの目安になります。サービスの基本ですから、『服装は清潔なものを着ているか』『髪は乱れたままになっていないか』『目やに等はついていないか』等、それとなく、しっかりチェックする必要があります。

ポイント4 老人ホームの清潔度・雰囲気
 有料老人ホームが清潔に保たれているか、掃除は行き届いているかということも、重要なチェックポイントです。共用部分の備品は整理整頓されているか、介護スタッフルームが雑然としていないか、また、掲示物が曲がったり、落ちたりしていないか等、掃除や整理が行き届いているかを確認します。小さなことかもしれませんが、有料老人ホームのスタッフには、入居者の小さな変化に気付くという資質が求められます。特に要介護高齢者は、本人からのの訴えは少なく『今日は少し熱っぽい』『便の色が悪い』など、スタッフが小さな変化に自ら気づいて対応しなければなりません。カレンダーが2日前のままだったり、廊下の絵画が曲がったままで掛けらたままになっているということは、残念ながら、入居者に対するサービスも、その程度だということになります。その他、採光や臭いなど、生活空間としての全体の雰囲気を確認することも必要です。

ポイント5 建物や設備は本人に合っているか
 ご家族が見学に行かれると、居室の広さや向き、景色などに目を奪われる方も多く、ほとんどの有料老人ホームは高齢者の生活に適した設備が整えられていますので、それだけで安心される方が多いのですが、実際は、入居される方の生活レベルに、建物や設備が合っているのかを確認しなければいけません。これは、自立歩行されているのか、車椅子なのか、また寝たきりなのか等の入居者の生活レベルによって、チェックしなければならないポイントは違います。また、脳梗塞で半身麻痺がある方を想定しても、右半身麻痺なのか左半身麻痺なのかで、ベッドやトイレの手すりの位置、居室のドアの開き方向は変わってきます。また車椅子で立ち上がりが困難な場合、電気スイッチの位置が高いようだと手が届かないということもあります。パンフレットや資料を見ただけではわかりませんから、入居される方の状態をしっかり把握して、チェックする必要があります。また、有料老人ホーム内の建物だけでなく、立地環境が高齢者の生活に相応しいかも確認する必要があります。


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見学にもっていくもの・もらうもの
ここでは、有料老人ホームの見学の際に、有料老人ホーム側からもらうべき資料や、見学に持っていくと便利なものについて説明します。

見学時にもらうもの
 有料老人ホームの見学で、老人ホームからもらっておくべき資料がいくつかあります。

▼契約に関する資料
有料老人ホーム入居契約書
有料老人ホーム管理規定(含む サービス一覧表)
重要事項説明書
特定施設入所者生活介護利用契約書(介護付有料老人ホーム)

▼その他資料
その他サービスの一覧表
食事のメニュー表
行事の予定表
老人ホーム発行の『ホームだより』
財務諸表・決算書等の経営指標

本的なものは、有料老人ホームの契約に関する書類ですが、上記に挙げたように入居契約書を含め4種類ありますので、少し困惑されるのではないかと思います。有料老人ホームとの契約は、老人ホームと入居者との一般契約ですが、介護保険法上で介護保険サービの利用について別途契約を義務付けていることから、少し複雑になっています。それぞれ関係しており、重複する部分もありますが、その違いをしっかり理解して目を通す必要があります。

まず、入居契約書ですが、これは有料老人ホームに入居する際の基本となるもので、利用に関する全般的な権利義務関係を明らかにしたものです。入居者・身元引受人・入居一時金や、入居者が支払うべき月額費用、入居者が受けられるサービス内容等が示されています。

重要事項説明書は、入居契約に付随するもので、国が定めた標準書式に従って『事業主体』『土地・建物の所有者』『施設概要』『利用料』『サービス概要』『入居者状況』などに分けられており、その有料老人ホームの全体像がわかるようになっています。独自にインターネットで公開しているところや、行政が中心となって公開しているところもあります。

管理規定も、入居契約書に付随するものですが、契約では書ききれない老人ホーム側と入居者側の約束事や、有料老人ホームが行うサービス内容の詳細、サービスを受ける手続きや変更の方法、等が示されています。ですから、契約書類とは、入居契約書だけでなく、重要事項説明書、管理規定を含むものだと理解してください。

最後の特定施設入所者生活介護利用契約書は、特定施設入所者生活介護という介護保険制度に基く介護サービスの提供について規定してものであり、この指定を受けている介護付有料老人ホームで締結する契約です。ですから、例えば介護付有料老人ホームに入居しても要介護度が『自立』と判断されて介護サービスを受けない場合や、健康型・住宅型の有料老人ホームでは、この契約はありません。

以上が、契約に関する基本資料ですが、最近ではご家族の誤解を避けるために、見学の際にも契約書類を基に説明を行う有料老人ホームが多いようです。他の有料老人ホームと比較する際の基本資料となりますから、わからないことはその場で確認し、後日読み返せるように必ずもらうようにしましょう。

その他の資料として、現在の入居者向けに、食事やレクレーションなどの予定表、有料老人ホームだより等が発行されていれば、写真や実際の生活がよくわかりますから、もらっておきましょう。また、決算書等の経営資料等についても今後は、その開示が義務づけられる予定ですので、しっかり確認しましょう。


見学時に持って行くもの

送られてきたパンフレット
チェックリスト(質問表)
筆記用具
カメラ
メジャー

事前に送られたパンフレットやチェックリストは、質問もれがないように、必ず準備して持っていきましょう。また老人ホームの見学でメモをとられる方は非常に少ないのですが、説明内容や疑問点については、忘れないようにチェックする必要がありますから、筆記用具は必需品です。メモをとることは失礼ではなく、有料老人ホームの担当者にとっても、契約内容や重要事項に誤解があると後でトラブルになりますから、特に契約書や重要事項の説明においては、後でわかりやすいように、付随する事項や説明内容を書き込むといった作業は不可欠です。

カメラは、説明担当者に許可を得てから撮影し、生活されている高齢者が写らないように配慮する必要がありますが、入居される方や他のご家族に説明される場合に重要な資料となりますから、老人ホーム内だけでなく外観や周辺環境なども含めて撮影されれば良いでしょう。また、メジャーは居室内の広さを計るのに必要になります。有料老人ホームは個室ですから入居者が使い慣れたベッドや箪笥を持ち込めますし、中には仏壇をどうしても持っていきたいという方もおられます。その他、電気スイッチの高さや手すりの高さ等、入居が決まってから『手が届かない・使いにくい』と言わなくてよいように、しっかりと計って確認しておくことが必要です。


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