ここでは、有料老人ホームを探し始めるにあたって整理しておくべきポイント、心構えなどについてお話します。
- 現在の状況・希望確認チェックリスト
いつまでに探さないといけないのですか? 介護保険制度までの有料老人ホームは、そのほとんどが自立度の高い高齢者を対象としたものでした。『家事等の煩わしさから開放されて悠悠自適な生活を送りたい』という人が多く、入居される方が、ご自分で時間をかけてゆっくりと探されるということが一般的でした。 しかし、介護保険制度の発足後、特にこの2~3年の間に要介護高齢者を対象にした有料老人ホームが増えてきています。これは、特別養護老人ホームは希望者が多く簡単には入居できないことや、医療機関が経営上長期入院を嫌うことから、自宅で生活できない要介護高齢者の生活の場として有料老人ホームが注目されているからです。この状況は今後ますます進むと考えられています。 この要介護高齢者を対象とした有料老人ホームの場合、探されているのはご本人ではなく息子さんや娘さん等のご家族がほとんどです。ご家族が有料老人ホームを探される場合に重要なことは、『いつ頃までに探したいのか』『いつまでに入居したいのか』ということを確認(意識)しておくことです。この入居予定については有料老人ホームでは必ず聞かれるポイントです。 有料老人ホームを探されているご家族の状況は、大きく次の2つに分かれますので、その状況に合わせた注意事項も述べておきます。
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ご本人や他の家族は、どのように考えられていますか? ニュースを見ても、高齢者の自宅での転倒事故や入浴中の死亡事故等は多くなっていますし、孤独死や高齢者世帯の火災も増えています。また最近では「振り込め詐欺」や「マルチ商法」「強引な訪問販売」などの詐欺事件が横行しており、その被害者の大半は高齢者です。 ですから、ご家族が有料老人ホームを探されている理由も、『親の一人暮らしが心配』『そろそろ介護がないと生活できない』など、身体的な能力の低下や一人暮らしに対する心配や不安によるものが多くなっています。 有料老人ホームへの入居は、周りのご家族やご兄弟が、現在のことだけではなく将来のこと等も含め、出されたベストな選択なのかもしれません。しかし、最終的に有料老人ホームに入居するのかどうかを決定するのはご本人です。ご本人が納得されていないのに強引に入居させることはできません。 ですから、ご本人に有料老人ホームの入居についてどのように伝えるか、また入居の意思について確認することは非常に重要になります。『その選択しかない』と家族が考えていても、住み慣れた自宅で生活できなくなることのショックや、新しい生活を始めることの不安などから、現実から目をそむけたり、昔の養老院のイメージから有料老人ホームへの入居を拒否したりする方も多いのです。 これは、ご本人の考え方や身体状況にも大きく左右されます。最近では介護が必要になれば介護付有料老人ホームに入りたいと考えておられる方も多いようですし、長期の入院をされていたり、体の麻痺が重いなど、自宅でこれ以上生活することが無理だとご本人も理解されている場合は話を切り出しやすいものです。しかし、一人で自由に生活をされていて、周囲から見れば非常に危険なケースでも、本人がまだまだ大丈夫だと思われているような場合は、家族の心配をよそに、全く話が進まないこともあります。 しかし、そのような場合でも、本人が有料老人ホームの入居を納得するまで探せない、ということではありません。有料老人ホームというサービスにはまだまだ誤解されている部分も多いと思いますし、実際にどのような生活を送ることができるのか、どの程度のお金がかかるのか等も含めて、安心で有意義な老後の生活を送るための一つの手段として、ご家族は、事前に調べてご本人が納得されるように伝えることが大切です。 ただし、感情的になりやすい問題でもありますから、他の家族から本人には内緒で老人ホームを探していることを漏れ聞いたり、話をする前にパンフレットを目にしたりということになれば、態度を硬化させてしまう結果にもつながります。 人生最後の有料老人ホームでの生活を有意義に過ごすためには、良い有料老人ホームを探すだけではなく、安心して納得してご本人が入居できるように、周りのご家族は本人の意志や思いを汲んで、じっくりとお話をされることが大切です。ご本人が納得されてない場合は、すぐに解決することは難しいかもしれませんが、体験入居をすすめたり、他のご兄弟やご家族がおられるのであれば、しっかりとコンセンサスを取って、進めていかれると良いでしょう。 |
有料老人ホームで、どのような生活を送りたいですか? 有料老人ホームを選ぶための比較となると、基本的にはその費用やサービスの内容を中心に検討することになります。確かにそれは生活の基礎部分ですから、選択時には重要な要素なのですが、実際の生活という視点から見ると、介護サービスだけが充実していても、豊かな暮らしが送れるというわけではありません。 入居される高齢者にも、それぞれにこだわりや好みがあり、どのように暮らしていきたいのかというその希望やニーズは人によって大きく違います。有料老人ホームのサービスとして『少しお金がかかっても美味しいものが食べたい』『部屋で小鳥を飼いたい』『趣味のガーデニングを続けたい』など生活に関わるものもありますし、その他『月に一度はお墓参りをしたい』『故郷に近いところで生活したい』等の個別の希望を持つ方もおられます。また、ご家族にとっても、『できるだけ自分達の近いところで探したい』『月に一度は一緒に外で食事がしたい』等の希望もあるでしょう。 有料老人ホームで、住み心地の良い、豊かな生活を送るためには、『どのような生活をしたいのか』『これからの生活で何を重視するのか』という積極的なニーズをしっかり整理しておく必要があります。逆に、これまではやりたくてもできなかった趣味や、要介護状態となってあきらめていた楽しみも、『有料老人ホームに入れば可能になる』ということがあるはずです。
多くの有料老人ホームでは、できるだけ個別のニーズや要求に応えられるように配慮しているようですが、有料老人ホームによっては、構造上やサービス提供上できないこともあります。この個別の希望やニーズにどの程度まで対応することができるのかは、一つ一つパンフレットに書いてある訳ではありませんので、それぞれに見学時や説明を受ける時に確認することが必要です。 これからの生活において何を重点に置くかは人それぞれ違います。他人から見れば、あまり重要でないようにに見えても、ご本人にとっては大切なこともあります。ご本人やご家族で相談して、きちんと整理しておくことが必要です。 |
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どのくらいの月額費用・一時金を想定されていますか? 有料老人ホームに支払う費用としては、入居時の一時金と管理費・介護サービス費用などの月額費用が必要になりますが、実際に生活するために必要なお金はそれだけではありません。例えば、寝たきりで全介助が必要になれば、紙オムツ等の介護材料費が必要になりますし、趣味や余暇を楽しみたいと思われているのであれば、その費用や交際費などが必要です。また、通院されているのであれば、月々の医療費は必要ですし、入院ということになれば、有料老人ホームの家賃と入院費の2重の支払いが発生します。 お元気な方が有料老人ホームに入られるのと、重度の介護が必要な高齢者が入居されるのとでは、必要資金の計算という観点からは変わってきますし、また、ある程度元気な時に入居されても、加齢に伴って重度の介護が必要となる可能性もあり、必要な費用は変わってきます。また、当然年齢にも大きく影響されるでしょう。つまり、入居される方の状態やどのような生活を送るかによって必要な費用は大きく変わるのです。 途中で、費用の支払いが滞るということのないように、また、やりたいことができなくて寂しい思いをしなくてもいいように、どのくらいお金がかかるのか、どのようにして準備するのか、余裕をもって計画を立てることか必要です。
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