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有料老人ホームの基礎知識
介護護保険法施行されて以降、健康な高齢者を対象とした『悠悠自適』の生活を満喫するための有料老人ホームから、要介護高齢者を対象とした有料老人ホームへ大きく変化しています。また、一部の富裕層を対象とした高額商品だけではなく、価格を抑えた商品も多く販売されるようになってきています。
ここでは、その価格や、介護サービスとの関わり、特別養護老人ホームとの違い等、これから有料老人ホーム探される上で、知っておくべき基礎知識について解説しています。
介護型・住宅型など、勉強されている方も多いと思いますが、『良く知っているから・・・』『だいたいのイメージは・・・』ではなく、入居される方に合った有料老人ホームを探すために、また、失敗しないために、しっかり基礎を固めていただきたいと思います。
有料老人ホームという商品とは
有料老人ホームは、介護が必要になっても
自分らしい生活を楽しむための「生活サポートシステム」


有料老人ホームは、終身利用権・賃貸等で部屋を入居者に提供するという住宅サービスと、食事・介護、各種相談等の高齢者の暮らしをサポートするためのサービスを組み合わせた複合サービスです。介護保険制度ができる2000年までは、健康な高齢者を対象とした『悠々自適』の生活を満喫するための有料老人ホームが多かったのですが、介護保険制度の施行後は、介護サービスを中心とした要介護高齢者を対象としたホームが、増加しています。

そのため、これまでは住宅サービス部分として、1LDKや2LDKなど一人当たりの居室面積も広く、入居一時金が、数千万円以上という非常に高額のものが多かったのですが、最近の要介護高齢者を対象にした有料老人ホームはワンルームタイプのものが多く、入居一時金も数百万円と低額なものが増えています。

有料老人ホームのサービス

反対に生活サポートサービスについては、これまではその殆どが自立高齢者だったため、間接的なサービスや入居者からのアプローチによる受動的なケアが多かったのですが、要介護高齢者を対象とした場合には、介護サービスのような直接的なサービス部分が多くなり、体調の変化や行動に注意を払うなどの、より積極的な、かつ細かなケアが中心となっています。

 つまり、有料老人ホームという仕組みは同じですが、これまでの有料老人ホームは、ある程度自立した高齢者をメインターゲットにして8:2で住宅サービスに重点がおかれていたのに対し、介護保険以降の要介護高齢者を対象とした有料老人ホームは、逆に2:8で、介護サービスを中心とした生活サポートサービスに重点が置かれた商品であるといえます。

 最近の要介護高齢者を対象とした有料老人ホームは、介護サービスを中心とした「介護付住宅・ケア付住宅」だと思われているのですが、有料老人ホームの中で、介護というサービスはあくまでも生活サポートサービスの一つであり、正確には、食事やレクリエーション、相談援助等を含めた「生活サポートサービス付住宅」であるという視点が大切です。介護保険は、その中の一つである介護サービスの補助システムでしかないのです。

 つまり、有料老人ホームという商品は、建物でも設備でも介護保険制度でもなく、加齢により身体状況が変化していく高齢者の生活を「どのようにサポートするか」「どの程度サポートするか」「何に重点を置いてサポートするか」というシステムなのです。

どのようなサービスを、どの程度提供するのかは、有料老人ホームによって違います。ペットと同居できたり、看護婦24時間常駐し医療ニーズの高い入居者に対応ができる有料老人ホームなど、多様化するニーズに対応して、サービス内容も変化してきていますし、老人ホーム毎に、生活が豊かなものとなるように、レクレーションやイベントなど、様々な工夫がなされています。

 老人ホームと言えば、自由の少なく集団生活だという、昔の養老院的なイメージを持つ人がおられますが、これからの有料老人ホームは、介護が必要になっても、安心して自分らしい生活をより楽しむための『個人の生活サポートシステム』へ大きく変化しているのです。


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有料老人ホームと介護サービス

有料老人ホームは、介護サポートの方法によって
大きく3種類に分けられている



高齢者は加齢により身体状況が悪化し、生活を行う上で介護・介助が必要となる可能性が高くなりますから、安定した介護サービスを受けられることが、これから有料老人ホームに入居される高齢者や家族にとっての最も大きなニーズの一つです。
すべての有料老人ホームは介護サービスの提供体制によって、以下の4タイプのいずれかに分類されています。これを有料老人ホームの類型と言います

類   型 介 護 サ ー ビ ス の 提 供 体 制
健康型有料老人ホーム 介護が必要となった場合、契約を解除して退居
住宅型有料老人ホーム 介護が必要となった場合は、訪問介護等外部のサービスを利用
介護付有料老人ホーム
(一般型特定施設入居者生活介護)
特定施設入所者生活介護の指定を受け、介護サービスを提供(介護サービスは有料老人ホームのスタッフが提供)
介護付有料老人ホーム
(外部サービス利用型特定施設入居者生活介護)
外部サービス利用型特定施設入居者生活介護の指定を受け、介護サービスを提供(有料老人ホームのスタッフが安否確認等を行い、介護サービスは委託先の介護サービス事業書が提供)

健康型の有料老人ホームは、自立した高齢者のみを対象にしたもので、食事等の日常生活サービスは提供されますが、要介護状態になった場合は、契約を解除して退居することが求められます。ですから、入居される方に介護が必要で、介護を受けることを目的として有料老人ホームを探す場合は、その類型として介護付有料老人ホーム(一般型・外部サービス利用型)、もしくは住宅型有料老人ホームのどちらかを選択することになります。

一般型介護付有料老人ホームは、介護保険法上の特定施設入所者生活介護の指定を受け、介護サービスを提供するというもので、有料老人ホームで介護・看護スタッフを雇用して、介護サービスを提供します。

介護付有料老人ホーム

これに対し、特定施設入所者生活介護の指定を受けず、要介護の入居者は外部から訪問介護等の在宅サービスを受けるというものが住宅型有料老人ホームです。食事サービス等のサービスは老人ホームから受けますが、介護サービスは有料老人ホームのスタッフではなく外部の訪問介護や通所介護サービス事業所から受けるというものであり、介護保険制度の利用方法は自宅で暮らしているのと同じ扱いになります。

住宅型有料老人ホーム

 もう一点、この平成18年4月の報酬改定で、新しく創設されるのが、外部サービス利用型特定施設入居者生活介護の指定を受け外部サービス利用型介護付有料老人ホームです。これは、介護サービス計画の策定や安否確認等の基本サービスは、ホームのスタッフが行い、日常の食事介助・入浴介助等については、ホームが訪問介護、訪問看護、通所介護等の外部サービス事業所と契約を行い、入居者はホームが契約した事業所から介護サービスを受けるというものです。
 訪問介護等の外部サービスを利用するという点では、住宅型有料老人ホームと同じ扱いですが、入居者が個別に外部サービス事業所と契約するのではなく、有料老人ホームが外部サービス事業所と契約し、入居者はその契約(指定)されたサービスを受けるという点が大きく違います。まだ、数は多くありませんが、今後、増えると予想されています。

外部利用型有料老人ホーム

 有料老人ホームの類型を比較すると、特別養護老人ホームと同じように、一般型介護付有料老人ホームは、老人ホーム内に介護スタッフが24時間常駐していますので緊急時にも安心であることから、要介護の入居希望者や家族には人気が高く、既存の有料老人ホームでも新しく一般型特定施設入所者生活介護の指定を受け、変更するホームも多いようです。
しかし、この有料老人ホームはその類型によって、それぞれにメリット・デメリットを持っていますし、地域環境や周囲の状況にも左右されます。また、同じ介護付有料老人ホームでも、手厚い介護サービスを提供するために、介護・看護スタッフを基準より多く採用している有料老人ホームもありますので、類型が同じであれば、同じ介護サービス提供しているということではありません。
有料老人ホームの商品性はまだまだ固まっているわけではありませんから、介護サービスをどのように受けるのかという違いをはっきり認識して、入居者や家族の状態や希望に合った介護を受けられる有料老人ホームを探すことが大切です。


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有料老人ホームの価格

有料老人ホームの費用は「住宅関連費用」「介護・看護関連費用」
「食事関連費用」「その他管理費用」に分けられる


有料老人ホームの価格については、『入居一時金』と『月額費用』に分類されていますが、その中身については、よくわからないと言う意見を聞きます。しかし、有料老人ホームという商品の価格は、サービス内容を分けて考えれば、その比較はそんなに難しいものではありません。有料老人ホームの価格は、以下のように大きく分けられています。
有料老人ホームの価格

まず、老人ホームの入居一時金や家賃は、土地の価格と建物の価格、備品などのハードの原価から計算されます。つまり分譲マンションや賃貸マンションと同じです。立地条件や、部屋の広さ、建物や備品のグレードによって価格は変動します。入居一時金は家賃の前払いという意味を持たせているホームが多いようですから、入居一時金が高額の場合は月額の家賃はありませんし、逆に入居一時金が低額であったり、徴収していないホームでは、月額の家賃が必要となります。

 次に介護サービス費用ですが、住宅型有料老人ホームの場合は、自宅と同じように介護サービスは別に計算されることになりますから、訪問介護や訪問看護、通所介護などのサービス内容と頻度によって変わってきます。ですから介護費用は月額費用に含まれていない場合が多く、確認が必要です。
介護付有料老人ホームの場合は、特定施設入所者生活介護の指定を受けていますから、生活した日数と要介護度によって介護報酬が計算され、その一割を負担することになっています。この基準は、入居者3名に対し介護・看護スタッフ1名という『3:1』のスタッフ配置基準ですが、有料老人ホームによっては、手厚い介護を行うために『2:1』『1.5:1』と介護スタッフ数を増やしていますから、基準以上のスタッフで介護を起こっている場合は、介護費用が上乗せされることになります。介護サービスは効率化や合理化が難しい部分ですから、サービスを高めた分だけ費用が連動します。

 その他のサービス費については、食事の費用、事務管理費、また有料老人ホームごとの特別なサービスが含まれます。食事の費用は、そのグレードだけでなく、特別な好みに対応したり、単一メニューではなく選択制にすることで費用に違いがでますし、事務費や管理費はマンションと同じように入居定員数によって変わってくるものです。

 つまり、有料老人ホームのサービスは、住宅サービス、介護サービス、食事サービス等の複合サービスですが、その価格の内訳は、そのサービスに合わせて入居一時金と、月額費用については、『家賃』『食費』『介護サービス費用(保険一割負担)』『介護サービス上乗せ』『管理費』などに分けられています。また、介護サービス費用など入居者の要介護度によって変動するものや、有料老人ホームによっては月額費用として表示されているものの中に含まれているサービスが違いますので、個々にその内容を確認すると共に、それそれを比較をしてみればわかりやすいでしょう

総額だけでみるのではなく、その内容をしっかりチェックする必要があるのです。


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特別養護老人ホームとの違い

特別養護老人ホームは、全国一律のサービスを行う福祉施設
有料老人ホームは、入居者の多様化するニーズに合わせて進化する


有料老人ホームと特別養護老人ホームは、どちらも老人ホームという名前がついていますし、有料老人ホームでも要介護高齢者を対象のものが主流になってきています。ですから、『特別養護老人ホームと有料老人ホームの違いがわからない』と言う人は非常に多く、わかっていると言う人も、『有料老人ホームは特別養護老人ホームの民間版』『特別養護老人ホームのグレードを高くしたものが有料老人ホーム』という程度ではないでしょうか。 制度的に主な違いを挙げると、次のようになります。

▼特別養護老人ホーム
事業主体は、社会福祉法人・市町村などの公益法人又は、公的機関
建設・運営などに補助金(税金)投入されている
居室は、主に複数人部屋(全体の70%は4人部屋)
サービス内容は、全国的にほぼ一律
多くの待機者がいるために、新しい入居者は要介護4〜5等の高齢者に限定

▼有料老人ホーム
事業主体は、法人であれば特に規定なく株式会社などの一般法人が中心
建設に補助金などの公的な支援はなし
居室は、基本的に個室
サービス内容は、有料老人ホームによって大きく違う
入居者は、有料老人ホームで独自に判断

まず特別養護老人ホームですが、これは社会福祉法人という公益法人や市町村等の公的機関にのみ許された公益事業で、その建設・運営には多額の補助金が支給されています。ですから、行政の指導のままに建設しサービス提供することが原則です。制度上は、建設設備内容や、各サービス内容については最低基準ですから、これを満たしていれば、食事内容をグレードアップしたり、基準を上回るスタッフを配置したりすることは制度上可能です。しかし、それらに基いて入居者に負担を求めることはでませんから、実際にはどの特別養護老人ホームも、4人部屋でほぼ横並びのサービスが提供されるということになります。

もう一つ、この特別養護老人ホームは、要介護高齢者の生活に必要な基本的なサービスがまとめられたパッケージ商品だということです。要介護高齢者の生活を維持するのに必要な住宅や食事・介護・医療等がすべてまとめられた商品で、一部の趣味やサークルなどの部分だけが選択サービスということが、その特徴です。個室を中心とした新型特別養護老人ホームが建設されていますが、これもサービス内容は一律です。つまり、特別養護老人ホームは、要介護高齢者の最低限の生活を維持するだけのサービスがまとめられた福祉施設なので、老人ホームごとに、そのサービス内容を変えられない、また、公平性の観点から変えてはいけないという商品なのです。

一方、有料老人ホームは、建物のグレード、食事サービス、介護サービス、医療サービスなど、ハード・ソフトの両面で多くの部分が自由に計画することができるのがその特徴です。有料老人ホームとして、行政に届け出を行いも入居者が安心して生活できるように最低限の基準を守ることは必要ですが、事業者の判断で、地域のニーズやこれからの高齢者のニーズに合わせて、居室を広くしたり、食事の質を上げたり選択の幅を増やしたりと、様々なプランを策定することができますし、同じ有料老人ホーム内でも『居室の広さや日当たりによって価格が違う』ということは可能です。

また、これは介護・看護サービスも同様で、例えば特定施設入所者生活介護の指定を受けて介護付有料老人ホームとなっても、指定基準の最低限のスタッフ数は確保する必要がありますが、手厚い介護サービスを提供するためにそれ以上の配置をした場合は、上乗せの介護費用として入居者にその費用を求めることができます。

つまり、同じ要介護高齢者を対象にした老人ホームでも、特別養護老人ホームは、要介護高齢者か生活するための必要最低限の機能を集約させた既製商品・バッケージ商品で、有料老人ホームは、特別養護老人ホームのサービスでは満足できない人や、多様化するニーズを持つ高齢者に対して、それ以上の機能や嗜好を提供するといったオートクチュール、自由設計商品だといえます。

ですから、『有料老人ホームは高額商品だ』と思われている人も多いのですが、特別養護老人ホームと同程度のサービスを提供している低価格のものもありますし、逆に多くの介護スタッフを整え、部屋も広く、医師も常駐するといった手厚い介護・医療システムを整えたもの、その他、ペットや家族とも同居できるといったこれまでの老人ホームの概念とは大きく外れているようなものもあります。有料老人ホームは、これからの高齢者のニーズの多様化によって、ますます進化していくのです。


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有料老人ホームのリスク・トラブル

有料老人ホームでのトラブルはどのようなものがあるか?
それを知ることがよい有料老人ホーム探しの第一歩


有料老人ホームは、まだ新しい商品であることや、介護保険制度の導入や高齢者の増加に合わせて、急激に成長したサービスであることから、実際に経営ノウハウの乏しい事業所も多く、様々なトラブルが報告されています。実際に発生しているトラブルとその責任について整理しておきます。

リスク1 入居中の事故・トラブル
入居者のトラブルで、最も多いものは、入居者の転倒による骨折や、インフルエンザなどの感染などによるものです。高齢者は身体機能が大きく低下していますから、転倒・骨折しやすく、風邪や感染症にもかかりやすくなっています。

特に、入居されて間もなく転倒・骨折された場合など、『安心して入居させたのに!!』と思われるかもしれませんが、転倒されたり風邪をひかれたりという、高齢者が一般的な生活を行う上でのリスクは、有料老人ホームに入居しても自宅で生活していても大きくは変わりません。

ただし、このような事故の可能性や、転倒などの事故を減らすためにどのような対応をしているのか、また、発生した事故に対する対応力は、有料老人ホームによって大きな差があるようです。

リスク2 他の入居者とのトラブル
 ご家族や入居される方の多くが、入居前の心配事として『他の入居者との人間関係』を挙げられます。有料老人ホームは個室ですが、食事や入浴など他の入居者とのかかわりが多くなります。新しい出会いや友達もできるという良い面もありますが、同時にいじめや他の入居者に溶け込めない等、人間関係のトラブルについての報告もされています。特に、軽度の要介護高齢者間のトラブルが多いようです。

 最近の有料老人ホームでは、ユニットケアと言って、10人程度の小規模の単位で食事やケアを受けるというスタイルのものが増えてきていますが、この中の関係でトラブルが起これば、楽しい生活は送れません。すべての入居者と100%良い関係であるということは難しいかもしれませんが、人間関係のトラブルについてどのような対応がされるのか、有料老人ホームによって、その対応は大きく分かれるようです。 

リスク3 退居に関するトラブル
 この途中退居に関するものも、トラブルになる可能性が高いものの一つです。家族や入居者は『終身介護』の有料老人ホームに入居すれば、何があっても一生そこで生活できるものだと考えておられる方が多いのですが、長期入院や認知症(痴呆)、他の入居者とのトラブル等で、有料老人ホーム内で介護を行うことが難しいと判断された場合、退居を求められることもあります。

 例えば、長期入院でも『1ヵ月以上の入院は退居』『3ヶ月以上の入院は退居』と決められている場合もありますし、『ご家族等と相談して決める』とされているものもあります。ただ、1ヵ月程度で退居を求められ、退院後に行く場所がなくなるということでは、入居者も家族も困ってしまいますし、『トラブルが多いので退居してください』と急に言われても納得できるものではありません。入院やトラブル、認知症など、どのような場合に退居を求められるのか、その決定はどのように決めるのか、その後のサポートはしてもらえるのか等、契約ですから、しっかり確認することが必要です。

リスク4 契約に対するトラブル
入居時の説明と実際のサービス内容が違うとというトラブルは、『スタッフ数が足りていない』『入浴回数が足りない』といった、明らかに契約違反だと思われるものから、『説明された以外の費用がかかる』といった金銭にかかるもの、『毎日同じ服を着ている』『部屋が汚い』といった、サービス提供上に問題まで多岐に渡ります。残念ながら、『有料老人ホーム事業は利益率が高い』『高齢者が増えるから儲けられる』といったイメージだけで、利益先行で参入している事業所も少数ですが見受けられ、入居者を確保するために、細かな問題については曖昧に説明している有料老人ホームもあるようです。

多くの家族は、入居後は、『入居している親(入居者)が嫌な思いをしないだろうか』『退居を求められたらどうしよう』と、クレームや意見をはっきりと言えないことが多いようです。明らかな法令・契約違反の場合は、しっかりとした証拠を持って有料老人ホーム側と戦うことや、行政にも届け出ることも必要ですが、そこまでではなくてもサービスへの不満や、注意してほしいことなどは、普段から伝えることが必要です。

しかし、それ以前に、事前チェック見学を行い、説明を聞いて細かな疑問点まで確認すれば、多くのトラブルは回避できます。入居後に嫌な思いをしなくて良いように、しっかりチェックすることが必要です。

リスク5 有料老人ホームの倒産
有料老人ホームの最大のリスクは、運営会社の倒産です。特別養護老人ホームなどの福祉施設は、事業が倒産してサービスが途中で受けられなくなるということはありませんが、有料老人ホームは株式会社等の民間企業が多いことから、経営が悪化し、運営会社が倒産すれば、サービスが受けられなくなります。それは、金銭的な問題だけでなく、生活の基礎がなくなるという大きな問題です。

残念ながら、今後は経営が困難になる有料老人ホームも増えてくるでしょう。倒産すれば入居者や家族に対してのダメージは計り知れません。入居者は集まっているか、経営情報開示はされているか、経営リスクにどのように対応しているか等、念を入れてチェックすることが必要です。

ここまで、5つのポイントに分けて、トラブルやリスクを解説してきましたが、有料老人ホームに入居される方は、そのほとんどが介護サービスや有料老人ホームサービスについての知識が乏しいですから、見た目の豪華さに惑わされてしまったり、また、『終身介護』『24時間365日の安心を提供します』と美辞麗句に誤魔化され、所定の金額だけを払えば、何のトラブルもなく、安心して生活が送れると思ってしまいます。

ほとんどの有料老人ホームは適正な運営をされていますが、トラブルの多いところや、少数ながら悪徳な業者も存在しています。有料老人ホームの基本は、民間企業との一般契約です。後で、こんなはずではなかったと泣かないで良いように、そのリスクを頭に入れて、トラブルに巻き込まれないように、有料老人ホームの選択を進めなければいけません。


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