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2015年12月23日

介護付有料老人ホーム「アズハイム川崎中央」(株式会社アズパートナーズ)

神奈川県川崎市にある「アズハイム川崎中央」を取材。

 お探し介護ライターが実際に施設へ足を運んで、見て、聞いて、感じて、体験したままを報告する施設訪問レポート。今回は「アズハイム川崎中央」を訪ねました。

 以前紹介した「アズハイム町田」に引き続いて、アズハイムシリーズから登場の「アズハイム川崎中央」。開設は2015年9月1日ですから、オープンしたばかりのホヤホヤの施設です。もちろん首都圏を中心に14施設(デイサービスを含めると22施設)を展開するアズハイムシリーズの中でも最も新しい施設となります。

 アズハイムシリーズを運営しているアズパートナーズという会社の社長は、急成長している会社では珍しく慎重派で、新規施設の開設よりも既存施設の充実を優先させるタイプ。決して会社の成長のためにサービスを低下させるようなことはしない、ということを「アズハイム町田」の回で、オフレコ情報として述べました。それを額面通りに捉えるなら、開設したばかりの「アズハイム川崎中央」のサービスを充実させ、運営を軌道に乗せることは、目下の会社全体を挙げての最優先事項のはず。「アズハイム川崎中央」が順調にいくまでは、次のアズハイムの新規施設の開設はない、ともいえるわけで、アズハイムシリーズの今後の成長は、「アズハイム川崎中央」にかかっている、といっても過言ではないと思われます。勝手な推測ではありますが。

 そんな「アズハイム川崎中央」の所在地は、神奈川県川崎市高津区野川。第三京浜道路と中原街道(国道45号)が交わる辺りに位置します。第三京浜道路でいうと「京浜川崎」ICと「都筑」ICの間のほぼ真ん中、東名高速道路の「東名川崎」ICからも同じぐらいの距離で、クルマであれば東京からでも横浜からでも羽田からでもアクセスしやすい、まさに川崎の中央というべき立地です。電車でいえば、JR南武線、東急東横線・東急目黒線、東急田園都市線、そしてグリーンラインに囲まれたような地のこれもほぼ中央。どの駅からも遠いので、バスかタクシーが交通手段となります。正直、自家用車以外のアクセスは良いとは言えません。しかしその分、バスのルートはたくさんあるわけで、パンフレットに記載されているアクセス情報から引用すると(今度はちゃんとパンフレットを入手しました)、①東急東横線・目黒線・JR南武線「武蔵小杉」駅 北口5番・6番乗り場より、鷺02系統(鷺沼行)利用19分「山崎」バス停下車徒歩4分、②東急田園都市線「鷺沼」駅 3番乗り場より、鷺02系統(小杉駅前行)利用20分「妙法寺」バス停下車徒歩4分、③東急田園都市線・大井線「溝の口」駅 南口3番乗り場より、溝21系統(有馬第2団地行)利用20分「山崎」バス停下車徒歩4分、④JR南武線「武蔵中原」駅 南口2番乗り場より、鷺02系統(鷺沼駅行)利用15分「山崎」バス停下車徒歩4分、⑤JR南武線「武蔵新城」駅 南口より、鷺02系統(鷺沼駅行)利用15分「山崎」バス停下車徒歩4分、となります。まあ、本数を考えたら、「武蔵小杉」駅からバスに乗るのが一番利用しやすい交通手段となるでしょう。

 しかし取材当日は、「アズハイム町田」のときと同じく、贅沢ながらタクシーを利用。じつは「アズハイム町田」後に「アズハイム川崎中央」という同日の取材でして、「アズハイム町田」からの帰りはバスを使ったら意外に時間がかかってしまい、遅れそうだったので。それでも「武蔵小杉」駅からのタクシーは思ったよりも早く、10分もかからなかったのではないでしょうか。「アズハイム町田」と同様、バス利用であれば時間に余裕が必要ですが、タクシーを気兼ねなく使える人であればアクセスは良好です。ただし、時間帯によっては中原街道が渋滞することも多いようですので気をつけてください。

 さて、タクシーは中原街道から狭い道に入り、坂を登って行きます。先ほど自家用車なら便利と述べましたが、この中原街道からの入口は慣れないとわからないかもしれません。まあナビがあれば大丈夫だと思いますが。その狭い坂を登っていった左側に見えてくるのが「アズハイム川崎中央」です。外観は、避暑地やリゾート地にある大手企業の保養所をお洒落にした感じ。周囲の住宅に比べるとひときわ大きな鉄筋コンクリート造り、地上4階建てですが、道路から少し奥まっているのと、洗練された落ち着きのある外観デザインのため、威圧感はありません。むしろその大きさのわりには周囲に溶け込んでいるといっていいでしょう。

ホーム長の藤井亜希夫さん。じつは内面はとっても優しい
アズハイム川崎中央の外観
1階にある庭。ダイニングからも自然を感じることができる

裏の斜面側の部屋は自然に包まれ、表側の部屋では見晴らしのよい景色

入口は「アズハイム町田」同様、ロックがかかっていて、インターホンを押して開けてもらわないと入れません。これ、アズハイムシリーズ全施設の特色でしょうね。これをセキュリティがしっかりしていると評価するか、面倒くさいと感じるかは、意見の分かれるところである、と「アズハイム町田」の回でも述べましたが、皆さんはどう思いますか? 私個人的には、面倒くさいけど、今のご時世じゃしょうがないんだろうな、というふうに思っています。何ものも安全には変えられませんものね

 ここで出迎えてくれたのは、アズパートナーズ・シニア事業部 営業企画部の松浦政樹チーフ。普段は東京都内(千代田区有楽町)の本社にいるそうですが、わざわざ取材対応のため駆けつけてくれました。ありがとうございます。松浦さん。で、到着したのがちょうど昼時ということで、まずは食事の試食をさせていただきました。

 この日のメニューは、栗ご飯に天ぷら、煮物など。季節を感じられる栗ご飯がうれしいですねえ。しかも、ただの栗ご飯ではありません。上に銀杏が載っていて、すり胡麻もかかっています。こんなちょっとした気遣いで、印象が大きく変わってくるんですよ、料理って。天ぷらも衣の厚さがちょうど良く、つゆは上品な薄口で。おまけに煮物のかぼちゃの皮にも飾り包丁が入っているのには感心しました。味といい見た目といい、今まで食べた中でも1、2を争うレベルの食事と言っていいんじゃないでしょうか。

 では、館内を案内してもらいましょう。うっかりしていると気がつかないかもしれませんが、4階あるフロアの内装がそれぞれ微妙に違っています。1階と4階は軽度、3、4階は重度(3階は取材時はまだオープンしてなかったですが)の入居者ということで、状態に合わせて色調やデザインを変えているそうです。自立した元気な方には明るく、重度な方には落ち着いて、といった配慮ですね。こんなところにも気配りを感じます。

そして同施設の建物での最大の特色といえば、やはりダイニングでしょう。レイアウトは各フロア共通で、各階の中央に位置するダイニングは、外側が全面ガラス張りの六角形になっていて、外の景色を間近に感じられるようになっています。そうなんです、じつはこの建物の反対側が斜面になっていて、全フロアが斜面に生えている木々と距離が近いんですね。ダイニングの外にはウッドデッキというか、バルコニーが張り出していて、そこのテーブルとチェアに座ると、新緑の季節にはまるで緑に包まれているかのような、いわば軽井沢か蓼科あたりの避暑地に来ているかのような気になることでしょう。いや、まだオープンしたばかりで新緑の時期は迎えていませんから、勝手な想像ですよ。でも、取材時のすでに落ち葉の時期(それもまた風情があっていいんですが)でも、秋の日差しがダイニングの中にまで降り注いでいて、とても気持ちの良い空間となっていたので、新緑のよい季節になればなおさら、さぞ爽快な気分を味わえるんだろうなあ、と、このダイニングから眺めた外の景色を見て思いました。

 居室は全室個室の75室、19.80㎡で、広さは普通。標準設備もクローゼット、温水洗浄便座付きトイレ、洗面化粧台、介護用ベット、ナースコール、カーテン、スプリンクラー、エアコン、証明、電話端子、TV端子と一通り完備して、まあこれは他の施設とそう変わりはないでしょうが、とにかく新築なのでどこもかしこも真新しい。新築だから当たり前、と言われれば返す言葉はありませんが、新築の老人ホームに入れるという機会もそうあるものではないと思うので、これも「アズハイム川崎中央」の長所の1つと言っていいでしょう。つまり、新築がいいと思うなら、できるだけ早く入ったほうがいい、ということですよ。もちろん裏の斜面が見える部屋では、その自然豊かな景色も長所となります。じゃあ、裏の斜面に面していない表側に部屋からの景色は良くないのかといえば、決してそんなことはありません。建物自体が坂道の途中に建っていて、近くに遮るものがないので、結構見晴らしがよく、開放感のある風景が望めます。裏の斜面側の部屋は自然に包まれ、表側の部屋では見晴らしのよい景色。どちらでも好きな方を選べます。 その他、機械浴室や機能訓練コーナー、ラウンジなどを一通り見せていただきました。

裏の斜面側の部屋は自然に包まれ、表側の部屋では見晴らしのよい景色
季節を感じられる栗ご飯がうれしい。上に銀杏も
裏の斜面側の部屋は自然に包まれ、表側の部屋では見晴らしのよい景色
各階の中央に位置するダイニング。ガラス張りの六角形
裏の斜面側の部屋は自然に包まれ、表側の部屋では見晴らしのよい景色
居室は全室個室の75室、19.80㎡で、広さは普通

入居者様だけでなく、そのご家族様のQOLの向上、というところまで私たちは踏み込んでいくべき

施設長、ではなくホーム長(アズハイムでは施設長をホーム長と呼びます)の藤井亜希夫さんにお話を伺いました。前述したように、(こちらの勝手な想像ですが)アズハイムシリーズの命運を懸けて開設した最新・最重要施設を任されているのは、どんな人かと思っていたら、やはりほぼ想像していた通り、しっかりしていて、頼りがいのありそうな方です。

 でも、いざ話をしてみると、私お探し介護ライターとしてはちょっと困ってしまいました。というのは、藤井さん、全然リップサービスをしてくれないんです(苦笑)。まず最初の質問として、他のどの施設でも聞いているように、軽い気持ちで「ここの特色は何ですか?」と聞いたところ、「当施設ならではの特色というものは、とくにないです。我々は特別なことではなく、どこでもやっている当たり前のことを、いかにしっかりと遂行できるかどうか、それだけを考えてやっています」という答え。

いや、特色がないことはないと思うんですよ。たとえば「アズハイム町田」で聞いた、役割分担を徹底してスタッフの負担を減らし、その分、レクリエーションに力を入れる、という方針も、アズハイムシリーズに共通の方針でしょうから、当然ここ「アズハイム川崎中央」でもやっているはずなんです。セントラルスポーツなどのパートナー企業との取り組みでも、「アズハイム町田」ではセントラルスポーツの話しか出ませんでしたが、もう一つ、じつはアズハイムシリーズではあの有名な「日比谷花壇」ともパートナーシップを結んでいて、フラワー・アクティビティ・プログラムの実施や、フラワーファシリテーターの養成、看取り看護・エンゼルケアの質の向上、エンディングストーリーのサポートなどなど、さまざまな取り組みを共同で行っています。しかし、これらはアズハイムシリーズ全体の特色であって、「アズハイム川崎中央」だけが行っているわけではないから、わざわざ言うべきことではない、と言うのです。

 う~ん、特色がない、では話が終わってしまいますし、当たり前のことをしっかりやる、では、それが大切なことであるのはもちろん分かりますが、それでは記事にはならないですよねえ。困ってしまいました。

 そこで話を変えて、スタッフがどんな思いを持って仕事に取り組んでいるのか、といった話を聞きたくて、「当たり前のことといっても、マニュアル通りの仕事では心の込もったサービスはできないですよね。『介護は、マニュアルのない仕事である』という人もいらっしゃいますし――」と言いかけると、それを遮って、「いや、たしかにマニュアルそのままではダメですが、その一方で、何人かの人間が共同で作業していく以上、マニュアルは絶対に必要なんです」と真反対の意見。いや、別にぶっきらぼうとか、そっけない態度とかではないんです。リップサービスがない代わりに、「すいませんねえ、記事なるような話ができなくて」と、一応こちらに気は使ってくれます。

「なにしろまだオープンして2ヶ月ほどですから、記事にしてもらえるような話がないんです」とのこと。まあそうなんでしょうけど、ここで引き下がったら取材者として負けです。なんとか話に糸口をみつけようと、試しに、「他の施設では、入居者から、『この人がいるから、この施設に入った』と言ってもらえるような、人気のあるスタッフがいると聞きますが、こちらではどうですか?」と聞いてみました。すると、「入居される方が、スタッフで施設を選ぶというのは、最初の入口では間違っていません。でも我々運営する側からいえば、それでは困るんです。だって、そのスタッフが異動になったり、辞めたりしたらどうするんですか?」と、またしても反対の意見を返され、どうも話が噛み合わないというか、こちらが求めるような答えが返ってこないというか――。「だから、私たちは、スタッフの誰もが同じサービスを提供できるような教育をしなければならないんです」という言葉を聞いて、やっと思い当たりました。

 どうやらこういうことのようです。こちらとしては、ホーム長はスタッフの代表者で、スタッフ全員の想いや気持ちを代弁して話をしてくれている、と思い込んでいたのに、藤井さんはあくまでホーム長という管理する側、運営する側の人間として話をしていたんだと思います。それがちょっとだけわかってからは、幾分話がスムーズになりました。スタッフの一員としての藤井さんはこう言います。

「こういう施設に望んで入ってくる人は100%いないんです。すべての入居者の方々が、それぞれ何かしらの事情を抱えて、やむなく入居して来られます。だから私たちは、家族の代わりにはなれませんが、家族のような気持ちで寄り添ってあげることが大事。それは入居者様のご家族に対しても同じです。入居者様のことを外から心配されているご家族を安心させること。もっといえば、入居者様だけでなく、そのご家族様のQOLの向上、というところまで私たちは踏み込んでいくべきだと考えています」

 さすがホーム長、というべきお話ですね。さらに、これを踏まえたスタッフの心構えとして、「経験や資格よりも“志”が大事」であるとか、実際の現場では、「臨機応変とバランス感覚、この両方を持ってないとダメ」というような話も色々としてくれました。このへんの話はそろそろ文字数も尽きてきたので簡単にまとめてしまいますが、最初からこうしてこちらが求めていることをきちんと説明していれば、もっともっといい話が聞けたんだろうなあ、と、反省しています。できたらお酒でも飲みながら、ゆっくり話がしたいです。藤井さん。

 ちなみに営業企画部の松浦さんによると、藤井さんはああ見えて(失礼!)、部下に対しては非常に優しい上司なのだそうです。これは意外でしたね。私に対しては、礼儀正しく丁寧なんだけど、ちょっと冷たい感じだったので、部下などへは厳しい人なのかと想像していましたが、それは外見だけというか、取材者に対して構えていたようで、じつは内面はとっても優しい人のようです。うーん、そういう内面をうまく引き出していくのが、インタビュアーとしての腕の見せどころなんですがねえ。私もまだまだだなあ、と感じた取材でした。最後は私事で締めてしまってすいません。

入居者様だけでなく、そのご家族様のQOLの向上、というところまで私たちは踏み込んでいくべき
落ち着いた色合い(フロアの内装がそれぞれ微妙に異なる)
入居者様だけでなく、そのご家族様のQOLの向上、というところまで私たちは踏み込んでいくべき
明るい色合い(フロアの内装がそれぞれ微妙に異なる)
入居者様だけでなく、そのご家族様のQOLの向上、というところまで私たちは踏み込んでいくべき
個浴。窓からも木々が見える。木々と距離が近い

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