介護施設での虐待問題がマスコミをにぎわせています。総合情報サイト『お探し介護』としての見解をまとめました。
千葉県浦安市の無届け有料老人ホーム「ぶるーくろす癒海館(ゆかいかん)」で入所者への虐待の疑いが持たれている問題で、新聞やワイドショーでも様々な意見が述べられています。
テレビのワイドショーという性格上、イメージや表面的な知識で語られることも多く、正確な情報を求めるのは、難しいのかもしれませんが、語られていることには、いくつかの間違い・問題があります。
1) 有料老人ホームの届け出と、特定施設入居者生活介護や介護保険利用とは違うということ。
2) 無届け施設は消防法・医療法など様々な法律違反を抱えている可能性が高いこと
3) 若年層の入所者は、身体障害者施設などの対象者となる可能性が高いこと。
4) 最近は、高額なものではなく、低額の有料老人ホームも増えていること。
5) 虐待が常態化している、またやむを得ないことのように報道されていること。
昨年から、高齢者が一人でも入居されていれば、有料老人ホームとして届け出ることが義務付けられています。確かに、今回の問題は、積極的に対応してこなかった都道府県や市町村にも問題があることは間違いありません。ただ、あの施設の担当者が述べていることに一理あるかのような、また、多くのホームで虐待に近い行為が行われているかのような報道は、介護サービス業界、有料老人ホーム業界に対する冒涜です。また、『数千万円のホームに入れない人は、このような目に合う可能性がある』といわんばかりの報道は、大きな間違いです
この高齢者虐待の問題は、多くのホームで真剣に検討されています。以前、取材したホームでは、徘徊の高齢者が自由に過ごせるように、一定以上施設から離れるとセンサーが感知するようにしているところがありました。それでもプライバシーの侵害ではないか、虐待ではないかと、導入にあたっては様々に議論されたということです。現在でも、その対応に当たっては、入居者や家族に対するケアや説明は、充分に行われています。
確かに、プライバシー(人権)とセキュリティ(安全)は、究極的にはぶつかることがあります。どうすれば良いのか、簡単に答えがだせる問題ばかりではありません。しかし、大前提として老人ホームは、刑務所ではありませんから、入所者の行動を抑制することは認められていません。安易に、日常的に紐でくくるなど、人間として許されることではないのです。
今回の問題に対して、施設側は、『虐待ではない』との認識を示していますが、完全な虐待です。
逆に、『この程度なら虐待ではない』『やむを得ない』と認識していることに、大きな問題と言えるでしょう。また、ハードにもスタッフにもほとんどお金を掛けていない複数人部屋の施設で、15万円〜20万円という金額は決して安いものではありません。逆に、診療所がやっているということですが、スタッフが不足しているならば、何故介護保険制度を利用させていないのか、入所者に対する診療報酬はどのような算定をしているのか、不透明な部分も少なくありません。『人助けの一環としてやっている』と言わんばかりの態度には、正直、憤りを感じます。
ただ、鉄の手錠をさせるなど、ここまでひどいケースは聞いたことがありませんが、一部の施設やホームで虐待に近い、また虐待ではないかと想像させるような事例が発生していることも事実です。この問題を契機に、行政監視を強化・徹底していただくことは言うまでもありませんが、最終的にホームを選ぶのは本人・家族です。虐待問題だけでなく、事業ノウハウの乏しいホームも増えていますから、今後、倒産や様々なトラブルが発生する可能性は否定できません。『こんなはずではなかった』といわなくて良いように、しっかり比較・検討して有料老人ホームを選択することが、より重要となっているのです。
総合情報サイト『お探し介護』は、契約しているホームを直接紹介するサイトではありません。有料老人ホーム選びに必要な知識を得るための情報サイトです。 不安や疑問については、何なりとお問い合わせください。
2007年02月21日 11:34
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