療養病床が大きく削減されるという話を前回しましたが、これに対応するのが医療法人の老人ホーム事業への参入解禁です。これまでも実質的に医療法人のグループ企業として老人ホームを経営するところもありましたが、社会福祉法人や株式会社を別に設立して、土地や建物の権利関係を別にすることが必要でした。
しかし、今後は病院を改装し『1階が外来診療、2〜3階が入院病床、4〜6階が有料老人ホーム』といった混合スタイルの有料老人ホームが増えています。医療法人の強みを活かして、酸素吸入やIVHなど医療ニーズの高い高齢者にも対応できる有料老人ホームや、病院の特徴を生かした糖尿病や人工透析等の慢性疾患の高齢者専用のホームも開設されるでしょう。
介護保険制度を契機に開設された有料老人ホームの多くは、『介護サービス』のみに重点が置かれていますが、長期入院を削減して『入院から在宅へ』を推進するということは、これまで入院対象だった状態の高齢者を、自宅や有料老人ホームで対応しなければならないということです。
現在でも、『協力病院があります』『提携病院で安心です』と謳っている有料老人ホームが多いのですが、実際は病気になったら病院に丸投げというホームがほとんどで、入居者から医療体制に対するクレームや不満が多いのも事実です。高齢者の医療や医師に対する信頼は高いですから、医療ニーズに対応できる医療法人経営の有料老人ホームは、介護サービスだけの有料老人ホームにとっては大きな脅威となるでしょう。
これからの有料老人ホームには、ターミナルケア等の24時間の医療体制の確保が非常に重要になってきます。介護サービスだけでは生き残っていけないのです。
2006年05月15日 06:48
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