多くの有料老人ホームでは、数百万円〜数千万円の入居一時金を徴収していますが、この入居一時金には、家賃の前払金という意味を持たせており、老人ホームの定めた一定期間(償却期間)で償却され、この償却期間内で退居された場合は、未償却部分が返還金として入居者や身元保証人に返却されるというのが一般的です。
しかし、有料老人ホームの中には建設費用の返済や運転資金に充当しているところも多く、途中で倒産した場合には、入居者の返還金が保全されない可能性があり、入居者のその後の生活に多大な被害を及ぼすというケースも増えています。
このため改正後では『入居者から、一時金を受けている有料老人ホームは、その算定根拠を書面で明示するとともに、倒産などの場合に備えて、厚生労働省令で定める方法で、必要な保全措置を定めなければならない』としています。これにより、平成18年4月以降に開設される有料老人ホームでは、未償却部分の返還金の500万円を上限として保全しておかなければならないことになります。これは家賃だけでなく、介護一時金等もその対象になります。
この保全方法としては、@供託所への供託 A銀行への連帯保証 B民間損害保険の活用の他、『全国有料老人ホーム協会』の基金の活用、指定格付機関(ムーディーズ等)による特定各付が付与された優良企業(親会社)の保障等が検討されています。
保全義務は、法改正後(平成18年4月)以降に届け出を行う有料老人ホームのみに適応されるようですが、一定の基準が示されたことにより、当然現在経営中の有料老人ホームに対しても十分に確認する必要があります。また、法的な保全義務には500万円ですが、3000万円支払って500万円しか戻らないとなれば大きな問題です。
有料老人ホーム選びにおいては、この保全措置がとられているのか、また独自にどのような保全方法をとっているのか、経営は安定しているのか等をしっかりチェックする必要があるのです。
2006年05月07日 11:30
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