神戸市兵庫区で、同区内の男性利用者=当時(94)=がショートステイ(短期入所生活介護)の利用中に、食パンをのどに詰まらせて死亡するという痛ましい事故が発生しました。この男性の孫が「職員の注意義務違反などが原因」として、同センターを運営する社会福祉法人に、慰謝料など約三千六百万円の支払いを求める訴えを神戸地裁に起こしています。これまで、福祉の時代は、利用者側に『お世話になっている』という意識が強く、このようなトラブルが表面化することはありませんでしたが、今後、特別養護老人ホームや有料老人ホームでも、同様の裁判が多くなることは間違いありません。
私は長い間、特別養護老人ホームで管理者の立場にありましたが、転倒や誤嚥などの事故はどんなに気をつけていても、日々発生する可能性があります。幸い今回のような死亡につながるような事故はありませんでしたが、『一歩間違えば・・・』という事例も経験しています。
家族からすれば、ホーム内で事故が発生した場合、『安心して任せたのに・・』という思いが起こって当然ですが、高齢者は身体能力が低下するために、転倒やふらつき等の事故を100%なくすことは難しいとも考えています。
今回の裁判のポイントは、@注意義務違反があったか否か、A死亡との因果関係の2点を中心に裁判が行われることになりますが、『何がホームの責任なのか』を明らかにすることが、これからの介護サービス全体の資質向上にとっても、重要だと思います。
2006年04月07日 19:59
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