長期の療養とする患者を対象とした療養病床は、医療保険適用(25万床)のものと、介護保険適用の介護療養型医療施設(13万床)に分かれています。しかし、その違いが不明確なことや、必ずしも医療が常時必要のない高齢者が多く占めていることから、厚生労働省は、2011年度末までに、介護療養型医療施設を廃止、医療保険適用の療養病床も15万床へと削減する方針を固めていました。この改定は、すんなりと通るかと思われましたが、与党自民党厚生部会から、『行き場のない高齢者が増加する』という意見が出て、この協議が難航しています。
確かに、要介護高齢者が今後急増する中で、合わせて25万床の長期療養病床がなくなることは、現在の特養ホームの定員が36万床であることを考えても、大変なことです。ですから、一見、この議論は正しいように思えますが、高齢者介護・医療の適正・公平な運用という視点から見れば偏ったものだと言わざるを得ません。
確かに、高齢者に関わらず、難病等、常時医療監視が必要で、長期療養が人に対しては、広い居室、医師や看護師等のスタッフ配置等、医療と生活の両面からサポートできる長期療養病床は不可欠です。
しかし、そのシステムを維持するためには、高額な費用(社会保障費)が必要です。介護保険財政・医療保険財政が逼迫し、全体のパイが限られている中では、『必要な人に必要なサービスを』ということが原則で、医療が必要のない人にまで、医療体制の整った病院に入院を続けさせることは、制度全体から見れば、大きな無駄なのです。
ただ、長期病床をなくせば済むと言う問題ではありません。その代替住宅はどうするのか、低所得者対策はどうするのかを含めて、10年、20年後の超高齢社会の暮らしが見えるように、議論していただきたいと思っています。
2006年02月07日 07:41
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