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介護型の療養病床は廃止へ

前々回のトピックス【高齢者の長期入院 食費・居住費 自己負担へ】の中で、医療療養病床に長期入院する70歳以上の高齢者の食費・居住費の一部を保険適用外の自己負担とする方針であることについて解説し、その中で将来的には、介護療養病床と医療療養病床の統合、入院対象基準の明確化、療養病床数の減少等が、大きな流れになっていくと述べましたが、そのスピードは、私がイメージしていたものよりも早く、内容も厳しくなるようです。検討されている骨子は以下のようなものです。

  @ 介護療養型医療施設(介護療養病床)を2012年度にも廃止の方向で検討
  A 介護保険施設は、特養ホームと老健施設の2種類とする。
  B 介護療養病床は、医療型や他の介護施設への転換を促す
  C 医療療養病床のうち、医療ニーズの低いものは有料老人ホームへの転換を促す

これまでも述べてきたように、現在、療養病床は医療保険対象の療養病床(医療療養病床)と介護保険対象の療養病床(介護療養病床)に分かれています。その社会的役割や機能は違うのですが、実質的に特別養護老人ホームや老人保健施設の待機場所となっており、必ずしも医療を必要としない多くの高齢者が入院しています。ですから、その曖昧さをなくし、介護と医療の役割分担を明確にすることを目的としています。

そもそも療養病床は、高齢者のためだけの病床ではなく、末期がんや難病等、長期的に入院加療が必要な患者のためのものですから、基本的に介護保険ではなく医療や看護が中心に対応するべき分野です。ですから、介護療養病床を廃止し、医療療養病床についても、その入院基準を明らかにすることは、方向性としては納得できるものですし、社会保障費の公平利用と言う観点からも重要なことだと思います。これまで行われてきた社会的入院との完全な決別の施策なのです。

しかし、その急激な変化は、これからの高齢者にも大きな負担を強いるものになります。現在の療養病床の総数は、介護療養病床が14万床、医療療養病床か23万床となっており、合計で37万床を越えています。現在、50万人とも言われる特別養護老人ホームの待機者数よりも多いのです。医療療養病床は全てなくなるわけではありませんが、10万床程度必要だとしても、現在、要介護高齢者が長期入院している27万床という療養病床がなくなってしまうのです。

その方向性としていくつか述べられていますが、基本的に介護療養病床から医療療養病床に変われるという可能性はほとんどありません。また、特別養護老人ホームや老人保健施設への転換にも大規模な改装が必要となりますから、変更後の収支が合わせられるとは思えませんし、そもそも、その指定が認可されるかどうかも不明です。ですから、実質的に、改装して有料老人ホームに転換するか、閉鎖するしか道は残されていないのです。団塊の世代が高齢期に入り、要介護高齢者が急増する時期と、この病床削減の時期が重なります。行き場のない要介護高齢者は急増し、特別養護老人ホームは、更に入所困難となることは間違いありません。

Posted by osagashi : 11:13 | トラックバック (0)

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